シネマ執事

ティッシュみたいだね 映画って

2021/11

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蔵原惟繕監督 「憎いあンちくしょう」 1962 レビュー ネタバレあり

蔵原惟繕監督 「憎いあンちくしょう」 1962 レビュー ネタバレあり

浅丘ルリ子の最高傑作  蔵原惟繕のシャープなカッティングも素晴らしい。石原裕次郎の男っぷりも素晴らしい。しかし、この映画の到達点は蔵原や石原の度量ではない。浅丘ルリ子という史上最高の女優が誕生する輝かしい瞬間が、奇跡的というほかないほど鮮やかに刻まれているのだ。  石原裕次郎は、マルチタレントを演じる。当時勃興していた...
増村保造監督 「卍」 1964 レビュー ネタバレあり

増村保造監督 「卍」 1964 レビュー ネタバレあり

格差社会  男は、格差社会に生きていない。もちろん人には優劣がある。頭の良さ、容姿、異性を惹きつける力、運動神経、収入。後天的な努力では逆転できない要素も多い。しかし男は、格差を露呈しない。格差は暗黙に了解され、持てる者は謙虚に振舞う。長幼の序は、格差をあからさまにしないための、知恵だ。しかし、女は違う。美しい女のセク...
sasameyuki

市川崑監督 「細雪」 1983 レビュー ネタバレあり

沈みゆく関西  古代から日本の中心であった関西は、存在感を落とし続けている。現在の関西人はみんな、お笑い芸人のテンプレートを演じている。圧倒的なクオリティを誇った芸能だが、松本人志という異端を大御所化したせいで、停滞している。  「細雪」は昭和初期の阪神モダニズムを描いている。旧い問屋の姉妹が、上本町の本家と芦屋の分家...
入江悠監督 「22年目の告白 -私が殺人犯です-」2017 レビュー ネタバレあり

入江悠監督 「22年目の告白 -私が殺人犯です-」2017 レビュー ネタバレあり

仲村トオルのいかがわしさ  胡散臭いとは思っていた。例えば「接吻(2008)」。小池栄子の圧倒的な狂気と比して、渋く映画を支える名助演のように見える弁護士役だが、どこか嘘くさい。まず、声だ。誠実な男の渋く低い声。そんなものが仲村トオルに似合う筈がない。「22年目の告白」では、報道番組のキャスターを演じている。社会の矛盾...

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