塚本晋也監督 「双生児」 1999 レビュー

もくじ 双生児の流離譚本木雅弘の端正な表現力日本の伝統としての貴賤塚本晋也のパンク魂弱さの深淵 双生児の流離譚  江戸川乱歩の原作は、1924年に発表されている。舞台となる大徳寺医院は、医院と家屋が同棟にある造りの日本家屋だ。西洋医学の治療を施す医院と、日本建築の普遍性を感じさせる居間や寝室。折衷こそが日本的美の精髄ならば、大正時代を描いた映画は、自ずと格調高くなる。パンキッシュな塚本だからこそ、この王道を丹念に映像化することから逃げず … 続きを読む 塚本晋也監督 「双生児」 1999 レビュー